こんにちは、スピーチ講師の森川じゅいちです。
さてスピーチが終わったあとで、「あなたの話し方は抑揚がないね」って言われたらどうでしょうか。
それって話し方が全く単調で印象に残らないってこと?
とても残念ですが、その通りです。
俳優でいったら、セリフを棒読みする大根役者と同じこと。
そんなの他人から言われたらとてもショックですよね!
ということで今回はどうやったら抑揚のある話し方ができるかをお伝えします。
これを読んで実践するだけで大根役者からの卒業です。
そもそも抑揚って何?
インターネットで「抑揚とは?」で調べると以下のように解説されています。
話すときの音声や文章などで、調子を上げたり下げたりすること。
引用元:デジタル大辞泉
イントネーション。
つまり「抑揚がない」とは、言い換えるなら「話すスピードが単調で声の強弱がない状態」です。
そんな調子で話したとしても聞き手からしたらとても退屈だってことになります。
たとえそれが興味深い話題であっても聞いてくれませんよね。
ですからやっぱり抑揚のある話し方をしないと人の心に刺さらないのです。
では抑揚をつけるためにはいったいどうすればいいでしょうか?
あなたの話し方に抑揚をつける5つの方法
せっかく人前であなたの話を披露するスピーチです。
それだったら抑揚をつけるテクニックを身につけて聞き手を魅了しちゃえばいいじゃないですか!
テクニックといってもそんなにハードㇽの高いことではありません。
まずは以下5つの方法でトライしてみましょう。
文頭のトーンは高めに文末は低めにする
日本語はその特性上、最初の文頭で声のトーンを高めにして、次第に低くしていくと聞き手にスッと響いていきます。
最初から最後まで、同じトーンで話をするとどうしても単調になってしまうので注意しましょう。
文頭を低めにするとどうしても話がだらだらと始まる印象になってしまいますので、まずは冒頭でインパクトをつける必要があります。
一番簡単な方法は「みなさん、おはようございます!」と最初にテンション高めに元気よく挨拶すことから始めてみましょう。
これだけでも印象が全く変わります。
強調したいキーワードをはっきり伝える
スピーチとは「あなたの主張」です。
話すテーマを決めて、短い時間に端的にわかりやすく聞き手に伝える行為になります。
もしあなたが朝礼スピーチで「おすすめの映画」の話をしたとしましょう。
その時にはタイトルや主人公、映画のジャンルといった伝えたいキーワードがいくつかあるはずです。
そのキーワードを話す時には「少し高く、はっきり、ゆっくり」しゃべると聞き手の耳にも残りやすくなります。
固有名詞や数字を伝える時は特にそれを意識するといいでしょう。
読点「。」を意識して話す
もったいない話し方をする代表例は、話す一文がとても長いことです。
しかも文末をしっかり言い切らず、ずっと句点「、」でつないで話す特徴があります。
あなたの職場にこんな話し方する人いませんか?
「昨日とてもショッキングなことがあったんですが、それが何かというと、車で外出して路駐して、しばらくしてもどったら監視員が駐車禁止の取り締まりをしていてあわてて車に戻ったんです。
でも時すでに遅しというかもう駐禁の紙が貼られてまして、、、あっちゃ~」
これって聞いているだけで疲れてしまう話し方ですよね。
同じことを伝えるにしても以下の表現だったらどうでしょう?
「昨日とてもショッキングなことがあったんです。
外出先で路駐してしばらくして戻ると、なんと監視員が駐禁の取り締まりをしているじゃありませんか!
やばい・・・。
一目散で車に戻っても時すでに遅し。
もう車には駐禁の紙がはられています。
あっちゃ~」
全く同じ内容の話をしていても聞いてる人の理解度は全く変わってきますよね。
一文がとても短く読点「。」でしっかり区切っています。
実際に話をする時も、この読点を心の中で「まる」と言ってみてください。
するとちょうどいい間ができるのでとても聞きやすくなります。
感情を入れて表情に出す
人間は「喜怒哀楽」を感じる生き物です。
当然聞き手もその感情に動かされます。
あなたが日頃感じたことを言葉に乗せて話すのがスピーチです。
ぜひその感情を「言葉と表情で」表してみましょう。
それだけで抑揚がある話し方になります。
話す内容に合わせて効果的なジェスチャーをする
抑揚をつけて話す5つ目の方法は「ジェスチャーを使う」ことです。
スピーチは耳で聞きますが、当然ながら聞き手は視覚からも情報を取っているんです。
ですから静止したまま話すのではなく、手を大きく使ってジェスチャーをすることで話し方にもインパクトが出てきます。
ジェスチャーをする際の手の場所は、腰の位置ではなくあなたの胸の前でできれば効果が一層出てきます。
手の高さも重要です。
意識しても抑揚がつけられない人の対処法
うーん、紹介した5つの方法を試してみたけれどうまくいかない!
そんな人もいるかもしれません。
それでは最後の手段を2つお伝えします。
これも難易度が高い方法ではないので、すぐに実践することが可能です。
youtubeで朗読しているものを見て真似る
すぐにyoutubeを見てみてさい。
虫眼鏡🔍の検索窓に「朗読 声優」と入力して調べれば、いろいろ出てきます。
文字通り「朗読」なので映像は動かず固定画面です。
なのでぜひイヤホンを使って視聴すると効果がてきめんに出るでしょう。
プロのナレーターの話し方はとても参考になりますよ。
少しマネてみるだけで抑揚のある話し方ができるようになります。
以下あなたにおすすめしたい2つのYoutube朗読を貼り付けておきます。
出典:【公式】窪田等の世界
窪田等さんという有名なナレーターがいらっしゃいます。
日本で最も忙しいナレーターともいわれている有名人です。
あなたがその名前を知らなくても、声を聞いた瞬間に「あっ、知ってる!」と気づくでしょう。
とてもやさしい、おだやかな声が時には強くあなたの心に響きます。
作品名は芥川龍之介の「杜子春」。
小説の情景が窪田さんのナレーションによってあなたの頭にはっきりとした情景として浮かぶはずです。
次に紹介するのは「津田千代子」さんという女性ナレーターの朗読です。
彼女はプロの朗読家で数多くのYoutubeにも出ています。
作品は浅田次郎の「姫椿」。
ストーリーについては聞いてのお楽しみ。
主人公の心情が津田さんのナレーションにのせてとても心に響きます。
抑揚の付け方も大変うまく、マネをすると良いでしょう。
「姫椿」というタイトルの意味を知った時、とても感慨深いものになります。
人と会話するように話してみる
さて、これが紹介する最後の方法。
しかももっとも効果的な話し方です。
スピーチは一人で聴衆に向かって話す行為ですが、普段からやっている「会話のように話をする」のがポイントになります。
これであでば大根役者のように棒読みになることはなくなり、抑揚のある話し方になります。
まとめ
あなたの話し方に抑揚がなくなる原因は何だろうかと考えると、ひとえに緊張しているからだと思います。
しかも聞き手のことを気にするのではなく、矢印の方向が自分に向かっているのが原因です。
人からどう見られているかばかりに気を取られていると、どうしても抑揚はなくなってきます。
話し方とはあなたのサービス精神の表われでもあります。
次は聞き手に届けるパフォーマンスだと思って演じてみてください。
きっと大根役者からは卒業できます。