こんにちは。スピーチ講師の森川じゅいちです。
さて社会問題を話題にしてスピーチすることになったら、テーマそのもののスケールが大きいだけにちょっと悩んでしまいますよね?
しかもあまりにもお堅い内容になってしまうと、話すのが難しいですし、聞く方も退屈になってしまいます。
このテーマは学生さんが授業の課題として多く取り上げられてますが、ビジネスパーソンの朝礼スピーチネタにもよく取り上げられるんです。
この記事では今、社会問題でどのようなものが注目されていて、スピーチではどう話していったらいいかについて触れていきます。
ココがポイント
この記事を読めば、今ホットな社会問題とその話し方を知ることができます
社会問題は朝礼スピーチだけでなく、雑談や営業の話題にも使える
まず社会問題の意味を調べてみた
そもそも「社会問題」ってどういうことを指すのだろう?
ということでさっそく調べてみました。
デジタル大辞泉によると、社会問題とは以下のような説明になっています。
引用元:デジタル大辞泉
うーん、こう見ると社会問題は世の中で起こっている「各種問題」なので、かなり広い範囲の内容になっていますよね。
しかも社会の勉強みたいになってちょっと気が重いし、頭が痛い。
もうちょっとかみ砕いて身近な問題としてわかりやすい事例にすることはできないもんだろうか?
今、日本が抱えている36の社会問題とは?
ということで我々の身近な社会問題になっている事例として、何があるか挙げてみることにしてみました。
▼以下ざっと36個もの問題があります。
1.貧困 | 2.少子高齢化 | 3.人口減少社会 | 4.年金制度の崩壊 |
5.ハラスメント | 6.自殺 | 7.老々介護 | 8.LGBT |
9.待機児童 | 10.食料自給率 | 11.食品ロス | 12.万引き |
13.ジェンダー格差 | 14.日本の借金 | 15.国民医療費 | 16.空き家 |
17.人手不足 | 18.後継者不足 | 19.絶滅危惧種 | 20.マイクロプラスチック |
21.高齢ドライバー | 22.異常気象 | 23.インフラ老朽化 | 24.ブラック企業 |
25.あおり運転 | 26.消滅可能都市 | 27.個人情報の漏洩 | 28.異物混入 |
29.食品偽装 | 30.特殊詐欺 | 31.引きこもり | 32.所得格差 |
33.騒音問題 | 34.医師不足 | 35.原子力発電 | 36.スマホ依存 |
いやぁ、いっぱいありますね。
調べてみればもっと出てくるかもしれません。
これらの社会問題は大きくて重いテーマが多いので、一般ピープルには解決ができません。
国の偉い人に任せないとだめですね。
でもスピーチでこれらの問題について話さねばいけません。
大きなテーマだが、自分事として伝えられるかが大事
一番大切なことを言います。
以上の36個の社会問題の中からあなたにとって関わりのないことを話すと、どうしても「他人事」になってしまいます。
全くもってスピーチとしては聞き手に響かないものになってしまう恐れがあるので注意が必要です。
じゃあ、具体的にどう話していったらいいかですよね?
例えば上記「21.高齢ドライバー」について朝礼でスピーチするとしたら、以下を参考にしてみてください。
「今日は、高齢ドライバーの問題について話します。
じつは私事ですが半年前、84歳の父が脳梗塞で入院してしまったんです。
とりあえず母親が異変に気付くのが早くて大事には至りませんでしたが、退院した後も言葉が出にくくなってしまいました。
お医者さんの話によると言葉の後遺症は完全にはなくならないそうです。
そしていつまた発症する可能性もあるので、今後、自動車は運転しないように、と強く言われました。
父はとても残念がりましたがしょうがありません。
車を手放し、免許証も返上です。好きなゴルフもいけなくなりました。
でも、結果としてそれでよかったと思います。
世間では高齢ドライバーの問題が多く起こっています。
万が一の死亡事故が起こってしまってからでは遅い!
車はとても便利ですが、扱いを間違えば凶器に変わってしまいます。他人だけは傷つけてはいけません。
今日は、高齢ドライバーの問題について話をしました。
みなさんはまだまだ若いですが、営業車の運転には注意してもしすぎることはありません。
では今日も一日安全運転で!」
このように社会問題を自分に関わる話として結びつけると現実味が帯びます。
リアルな事例を挙げているので聞き手にも臨場感が出てくるのです。
ですから「こじつけ」でもいいので、あなたの主観を入れてみてください。
そうしないと単なる「社会問題評論家」になってしまいますから。
具体的な数値を入れるといい
それでも、ある社会問題をテーマに話したくてもあなたとの関連づけが難しい場合があります。
そんな時は、具体的な数字を入れることがおススメです。
数字を入れることで、聞き手にその問題の程度を伝えることができます。
例えば、「26.消滅可能性都市」についてスピーチするとします。
その時は、以下のように表現してスピーチしてはどうでしょう?
「今日は、”消滅可能都市”について話をします。
みなさんは消滅可能性都市って聞いたことがありますか?
少子化が進行して「今後存続ができなくなる可能性がある自治体」のことをいいます。
2040年までに全国1800市町村のうち、なんとその約半数の896市町村が無くなってしまうというから驚きです。
それらの市町村では、2040年までに子供を産める可能性のある年齢の女性が半減してしまうからだとか!
都道府県別にすると、青森・岩手・秋田・山形・島根の5県では、8割以上の市町村が該当すると言われています。
また人口の多い地域も例外ではありません。
東京23区の豊島区。大阪市内でも中央区が消滅可能性都市になっているんです。
女性の出生率の低さと高齢化による影響はもはや避けられなくなってきています。
あなたの実家は大丈夫ですか?
今日は、消滅可能性都市の話をしました。
ありがとうございました。」
ココがポイント
数字は特にゆっくり話そう。なんなら繰り返し言ってもいい
まとめ
スピーチで社会問題について話すことは難しさがありますが、とっても意義があります。
テーマが大きいだけに個人で解決することは困難ですが、国民に一人一人に関係のあることです。
ですからスピーチをする時には、世間で起こっている他人事としてとらえるのではなく、あなたとの関連性を強調して話すとうまくいきます。
しっかり下調べして臨んでみてください。
数字を丸暗記するのは危険なので、しっかりカンペ(台本)を手に握りしめて話し始めましょう。
忘れた時には見てもいいのです。