こんにちは。スピーチ講師の森川じゅいちです。
さて1分スピーチのやり方に悩む人は結構多くいらっしゃいます。
あなたも会社などで1分スピーチをしなくてはならなくなった経験があるでしょう。
たかだか短い1分間だから楽勝にも思えます。
しかし、いざスピーチ当日に適当なことをしゃべろうとしてもうまくいきません。
それはなぜでしょうか?
この「1分で話をまとめる」ことは、スピーチがうまい人でも結構難しいんです。
むしろ3分スピーチの方がはるかに簡単。
1分で話そうとしても、余計なことを言うとすぐに時間オーバーしてしまい3分間スピーチになってしまいます。
あなたのまわりにもいるでしょう。
会議中に発言するのはいいけれど、だらだら同じことを何度も繰り返し言うおっちゃん。
頭の中がまとまらず、だらだら長くなってしまうのです。
もはやそうなるとみんなの時間泥棒でもあります。
今回は1分スピーチのコツを紹介します。基本をおさえてしまえば大丈夫です!
【4ステップでOK!】1分スピーチ構成の考え方
朝礼は昭和的なセレモニーに思えますが、会社として方針の共有化をする目的があります。一概に不要とも言い切れません。
全員で社訓を唱和したりするのも、経営者が会社の歩むべき道を社員に意識づけさせているのです。
朝礼といったら、順番に回ってくる1分スピーチが恒例になっていたりするものです
1.朝礼1分スピーチの目的を理解する
会社では朝礼のワンコーナーとして日替わりの「1分間スピーチ」をやらせています。
経営者からすれば「人前でスピーチの場数を踏ませ、話すことに慣れさせる」ためにやっているのです。
いわば自社内で行える、お金のかからない「教育訓練の場」「社員研修」ととらえてください。
会社の上層部に行くほど、末端に近い従業員との会話の機会は減って情報もなかなか入ってきづらい。
そこで朝礼スピーチという名の”社員研修”を通して、さまざまな人の考え方を聞きたいと思っています。
それだけに、あなたの話し方が見られていることになります。管理職やリーダーになるためには、話し方を磨くことは必要です。
2.1分スピーチのネタを見つける
朝礼で話したいことは、あれもこれもと盛りこむのではなく1つに話題に絞りましょう。
朝礼スピーチを成功させるには、2週間くらい前からネタを考え始めることが必要です。(まずは漠然とネタを考えはじめることでかまいません)
大切なのは忙しくしている時にも、スピーチのことが頭の片隅にある状態にしておくことです。
しばらくすると通勤途中やテレビを見ている時、はたまた風呂に入っている時に、ふと「この話題にしよう」と思える瞬間があります。
人間の脳の潜在能力ってすごいと思います。
机にかじりついて考えてもアイディアは浮かばないものです。
スピーチのことを頭の中に残しつつ、日常のふとした時に思いつくものが、あなたの伝えたい、あなた独自のネタにつながります。
1分スピーチのネタ探しにグーグルトレンドを使ってみる
インターネットで「Google trends」使ったことがありますか?
グーグルさんが蓄積している検索回数データをもとに、人気急上昇のキーワードがわかるものです。
試しに「スピーチ」と入れてみると以下のようにグラフ表記されます。
コロナ禍でスピーチの検索は一時ガクンと落ちましたが、その後じわじわと検索数が戻ってきています。テレワークが残っても、スピーチの重要性があるのです
その中で、直近の「1分スピーチ」に対する検索数が「200%増加中」です。
オンラインZOOMで1分スピーチをしなければいけない機会増加が、うかがえます。
3.1分スピーチの構成を考える
次に見つけたネタを時間内でどう話せるか考えます。
1分で話せる文字数は約300字。
原稿用紙の3/4になります。
簡単にアドリブで済ませたいのですが、ここでも原稿作りが必要になってくるのです。
実際に紙に書くことをお勧めします。手で書くことで筋肉と脳が動いて記憶にも残るんです。
内容は、ズバリ2部構成にする
スピーチの基本は「主題+本題+主題」の3部構成です。
しかし1分スピーチはとても短いため、2部構成をおすすめします。
「結論を言って → 理由を言う」
もしくは、
「エピソードを言って → まとめる」
この2部構成に尽きます。
1分という短い時間、スピーチ冒頭で「○○について話をします」と言えば聞き手の受け入れ態勢ができ、伝わるスピーチになります。
原稿ができたら何度でも口に出して、覚えるくらいに練習して本番に臨みましょう。
SNSは1分でまとめる練習になる
twitterをされている方は、そのやり方を理解しやすいと思います。
1分間スピーチの原稿を作るのは、140文字をフルに使ってツイートするのにとても似ているからです。
ガチでツイートする習慣を身につけると「いいね」や「リツイート」が増え、自然にスピーチの構成を考えるのがうまくなります。
またフォローしている人のツイートも見てみましょう。
見た瞬間に興味を惹きつけることができなければ、次の行を読み進める気が起きませんよね。
スピーチだって同じです。
冒頭が大切になります。
日ごろからよく利用しているSNSから1分スピーチの基本を学ぶことが多いのです。
4.できたスピーチを録画してみる
最近では、スポーツ指導者が大事な大会前や卒団の節目に、親からのメッセージをスマホで録画してLINEで送るよう連絡が来ます。
試合前やセレモニーでそれを子供の前で見せるのです。
たいがい1人1分以内でまとめるように注文が入ります。(部員が30人いれば、再生時間に30分かかっちゃいますから)
思っていることをぶっつけ本番でスマホ録画すると、言い終わった時には1分をはるかにオーバーしています。
子供に対してあれもこれも言いたいとなると、話もうまくまとまりません。いらない部分をそぎ落とす「絞り込み」が必要になってきます。
実はこの作業、とても大切なことなのです。なぜなら1分で伝えたいことをまとめることは、「論理的思考を養うことにつながる」からです。
スマホで録画を何度もしていると、1分にどんどん近づいてきます。5回以上やっているとうまく時間内に収まってきます。
できあがったら動画をすぐに送信せず、あらためて見てみるといろんなことがわかってきます。
たとえば
- 早口だな、もっとゆっくり目でいいかぁ?(話すスピード)
- しゃべり方「暗っ!」「こわい~」(話す表情)
- 音量上げないと聞こえないわっ(話す音量)
いずれにしてもスマホで見たままが聞き手が感じる印象です。
これを見るだけでも自分自身で修正できるポイントがわかります。さらに、身近な人に見てもらうと聞き手の視点から客観的なアドバイスももらえますよ。
まとめ
スピーチで緊張してしまう人は、その場から早く立ち去りたい心境になるでしょう。
ですから3分も5分も長い間、人前に立つのは苦痛です。
そういう意味でまずは短い1分スピーチを克服しましょう。
短い時間で話をまとめ上げるには練習が必要ですが、時間をかけて文章を考えれば考えただけ、頭の中も整理されてまとまってきます。
1分スピーチ克服であなたの話し方は格段に上達します。
しかも1分間をマスターすれば、それが3分スピーチになればかえって余裕に感じます。
もう一度今回のおさらいをします。
1分スピーチの4ステップ
1.1分間スピーチの目的を理解する
2.ネタを探す
3.1分間の構成を考える
4.録画して見てみる
じつは相手を納得させるのも長い時間をかければ説得できるとは限らないのです。
あなたが営業マンであればそれは痛感しているのではないでしょうか?
お客を買う気にさせるには1分が大切になってきます。その方法については別の機会にお伝えしましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。