こんにちわ。人前でのスピーチを上達させるプロ講師、森川じゅいちです。
さてビジネスパーソンとして仕事をしていると、どうしても会社の内外でスピーチやプレゼンをする機会が出てきますよね。
この2つのコミュニケ―ションは、人前で話すという行為自体になんら変わりありません。
しかしあらためてスピーチとプレゼンという同じようなものの違いは何なんだろう?、って思います。
ということで今回はその目的と違いについて明らかにします。
そしてそれを明確化した上でそれぞれに合った目的に取り組んでいけば、きっとあなたのスピーチやプレゼン力もアップします。
また口ベタで堂々と話せない人は、どちらから手を付けていけば上達しやすいかがわかります。
スピーチとプレゼンの違いとは
スピーチとプレゼン。
どちらも人前に出て聞き手が存在している以上、話すことによって「相手にメッセージを伝えること」自体は共通しています。
ではこの2つは何が違うのでしょう。
スピーチは「語り」
スピーチとは朝礼で話したり、人前で代表してあいさつの言葉を述べること。
はたまた談話あるいは演説というように「話だけで伝えるもの」。
いわゆる「語り」です。
時間にして標準的なもので暗黙の了解でおおよそ3分間。短くて1分間が話す時間の目安になります。
最終的にスピーチで求められることは、あなたが考えていることを限られた時間内に伝えることで「あなたの価値観を共有してもらう」ことだと思います。
人は当然ながらそれぞれの価値観が違うので、あなたの意見に対して全員から共感してもらう必要はありませんし、そんなこと土台無理なことです。
単なる事実を羅列して話を伝えるだけでは業務連絡にすぎません。
必ずそこにあなたの「意見」と「思い」を注入することが大切です。
スピーチの難易度は比較的高い
スピーチを苦手とする人が多いのは、人前に出ると緊張してしまうのが原因のように思えますが実はそうではありません。
緊張するから話ができないのではなく、話し方が分からないから緊張して話せなくなるのです。
そして話題探しに慣れていなければ、何を話したらいいか「ネタ探し」にも苦労します。
また自分の考えを主張せねばスピーチとして成立しないので難易度が高いのです。
プレゼンは「説得」
一方プレゼンは、「ツールを使いながら話をする」という点でスピーチと大きく違います。
聞き手に資料などの情報を渡したり、プレゼンツール(パワーポイント)やビデオ動画などのメディアを使いながら話をします。
様々な手段を使って「見せる」という行為を取り入れています。
プレゼンの目的は話すことによって相手を動かすこと。
つまりは「説得」です。
ですからプレゼンを聞いた相手にそのあとで行動を起こさせるもの。
あなたが営業マンであれば、お客を説得することで「購買」という行動を起こさせるものです。
プレゼンの難易度はスピーチほど高くない
先ほど説明したように、プレゼンは「ツール」を使って見せて話すことが前提になります。
スライドやパワポといったメディアを使いながら説明するので、スピーチに比べて聞き手の目線に「吹きさらし」になることが少ないのが特徴です。
なので聞き手からのダイレクトの目線をそらすことが可能になります。
仮にあなたが商品企画担当として営業マン相手にプレゼンをする場面があるとします。
その時には当然ながら資料を見せながら説明をするので、何を言うのか頭が真っ白になることはまずありえません。
しかも話す内容は、あなたがずっと頭の中で考え続けてきたことです。
こだわりと熱意が人一倍あるはずですから、語る口調も熱くなってきます。
【補足】TEDはスピーチとプレゼンの融合型
今回はスピーチとプレゼンの違いについて書いてきました。
またこれらは難易度についても違いがあります。
一見スピーチよりもプレゼンの方が、内容としても重要度が高いので難しいと思うかもしれません。
でも全くの逆です。
ぜひあきらめずに取り組んでいってほしいものです。
そうしていく中で今後、スピーチとプレゼンを学ぶのにとても参考になるコンテンツがあるので紹介しておきます。
あなたは「TEDトーク」って聞いたことがありますか?
TEDとはTechnology Entertainment Designの略称で、様々な専門分野の人がステージに立って話しをする講演会主催のアメリカの非営利団体のことです。
お堅い団体のように思えますが、Youtubeで検索してみてください。
そこでは世界中のスピーチを無料で、しかも翻訳付きで見ることができます。
もちろん日本人による日本語のトークも多くあります。
「トーク」というだけにスピーチの一種ですが、話しながらパワーポイントを使って見せるトークをしています。
そういった意味では「18分間のプレゼンテーション」ともいえるでしょう。
(TEDの公演時間は18分と定められています)
ぜひ一度動画をチェックしてみてください。面白いトークがいっぱいあって刺激を受けることができるでしょう。