社会人にとってスピーチをしなくてはいけない機会は、ダントツで朝礼スピーチでしょう。
定期的にやってくる、あの重圧感。
スピーチする日が決まったとたんに憂鬱な気分になります。
ここは何とかうまくこなしたいところです。
スピーチが嫌で、朝礼スピーチを免れたい管理職やリーダーの方は実に多いです。
しかしあなたの上司、さらには会社の上層部から見れば、その人のプレゼン能力を見るのに朝礼スピーチが格好の場なのです。
ですから朝礼を軽視して適当なスピーチをしている人は、実力があっても大事な仕事を任せられません。部下を引っ張るためにも、公の場でのプレゼンテーション能力が必要になってきます。
その入口が身近な朝礼が管理職にとっての登竜門なのです。
あがり症を克服する!朝礼3つのコツ
昔は僕も「全体朝礼なんて不要だわ」ってずっと思っていました。業務連絡なんて社内メールで十分。昭和的な古い儀式なんて面倒でした。しかも交代で前に立って話さなきゃいけない、まさに罰ゲームに思えました。
しかし、今管理職をしている人の多くは、30才後半から40代時の朝礼の場で、自分らしい言葉でしっかりと朝礼スピーチをしていたように感じます。
ですからスピーチが上手い下手ということではなく、人前でプレゼンする練習にはなっているのではないでしょうか。ですからむげに「朝礼は不要」とも言い切れません。
実は、スピーチ嫌を乗り越えると人前で話すことが楽しくなってくるのです。さらには回数を重ねてくると人に影響力を与えられ、快感すら感じるようになってきます。
これホントの話です。
1.ネタのジャンルを決める
朝礼でスピーチすることが決まったら、何をテーマにしたらいいか悩む人が多いです。
一般的に朝礼で話すネタ元は、
- 仕事上で感じたこと
- ビジネスに役立つ豆知識
- 時事ネタ・季節のトピックス
- その他(フリートーク)
以上4つの内容からネタを探して話すことが多くなるでしょう。
どうしても難しい話をしようとすると、ハードルも上がってしまいます。普段以上のことをやろうとしても、緊張度も増してあがってしまいます。
持ち時間が3分となっていても、それより早く終わってしまってもいいと思います。タイムキーパーがいてスピーチ時間など測っていないでしょうから。
フリートークで好きなことが話せるのであれば、「自分が今ハマっていること」「大好きな趣味」の話題がいいです。
その場合、自分自身のことなので、話のネタに悩むことも少ないのではないでしょうか。
一応会社の朝礼なので、話の最後には「趣味を持つことで仕事のメリハリがつくので毎日が有意義です」など、多少強引でも仕事につながる形で締めればばっちりです。
2.だれを意識して話すか
スピーチが嫌で悩んでいる人は、前に立って”全員に向けて発信しよう”とするから重荷に感じます。仲のいい同僚やあなたに好意的な人など”一定の人に向けて発信”できればよいのです。
どうしても「見られている」と自意識過剰になってしまいますが、まわりはあなたが緊張しようがしまいが気にもしていません。ほんとに気にしていないから安心してください。みんな自分のことで精一杯なのです。
しかも朝一からスピーチなんて、さほど聞いていない人もいるくらいです。
むしろこっちが相手を「見てやろう」となれば、不思議と緊張も和らいできます。
3.ウケを狙ってハードルを上げない
どんなにプロのプレゼンターであっても、全員の心に刺さるスピーチなんてできません。
朝礼スピーチなんてのは、一部の人に「へぇ~、そうなんだ」とわかってもらえればいいのです。ですから聴衆を笑わそうと思っても、滑ってしまうと焦ります。
もっと力を抜いてシンプルに考えませんか?
先日お会いした、あがり症で悩むKさんも、「大勢の前はダメだけど話すことが好き。スピーチしたら笑いを取りたい」、とサービス精神旺盛の持ち主です。しかし、ウケ狙いをしない時の方がかえって笑いが取れる、と言っていました。朝礼スピーチはピン芸人の漫才ではありません。
普段は知られていない自分の一面を紹介する場でもあります。
自分のことを一定の人に伝えることができれば、その後のコミュニケーションにも役立ちます。
先ほどのKさんのスピーチを聞きましたが、自分の話をしているときは、とてもいい表情をしていました。話しかけるような双方向の対話にもなっていたのです。
しかも面白い話とは、笑える話ではなく、日頃の些細な気づきや感想をみんなに伝えるものなのです。
朝礼は「誰かにとってちょっと役に立つ場」だと考えを変えれば、違う意味でのイベントに思えませんか?
【まとめ】
朝礼スピ―チはその場しのぎでお茶を濁して終わらせるのではなく、しっかり取り組むべき「業務」ととらえるべきです。朝一からしっかり聞いてくれない人もいるかもしれませんが、会社の上層部はしっかりと見ています。
人前で自分の意見を言えるかどうかは、管理職を任せられるかどうかを見られているのです。
まさに朝礼スピーチは、管理職の登竜門です。
これからの時代、40代にとっては厳しい環境が待っています。
毎年の自動昇給がなくなってしまう40代。昇格しないと給料が上がりません。
プロサッカー選手の心に刺さるスピーチを聞いてみよう
YouTubeでは、プロアスリートが試合前のロッカールーム・ミーティングで、選手全員を鼓舞するスピーチを見ることができます。
その中で「トップ選手による感動的なスピーチ集」というものがあり、サッカー選手の心の底から自然に出てきた言葉を聞くことができるのです。
それは事前に考えて暗記したものではなく、その場で湧き出た感情を素直に発した言葉なので、直接心に響いてきます。
試合前、選手は緊張しています。アドレナリンの力って大切だなと感じます。
これを見て、クリスティアーノ・ロナウドって格好いいなと思いました。ピッチの外でもまさにスーパースターですね。
ぜひyoutubeでいろんな動画を見てみることをおススメします。
言葉を感情に乗せて発する。それが人の心に響くスピーチになることが分かるでしょう。何も雄弁に話すことがいいスピーチではありません。