前回は2018年に人気グループ「BTS」が、国連総会でスピーチを行ったことをブログに書きました。(もし、まだ読んでいない方がいたらこちらからどうぞ)。
リーダーである「RM」ことナムさんが、緊張で手に持つ原稿を震わせながら熱弁したYoutubeもご紹介させてもらっています。
実はそれから2年後、BTSは2020年9月に再び国連総会でスピーチしているのです。
今日は前回からの続編です。
ウィルス蔓延の今だからこそ明らかになったスピーチの秘密兵器
2回目の国連総会スピーチ動画は以下の通りです。
▼タイトル:「COVID-19に直面する未来を担う世代へ」
今回のスピーチはこんなご時世のため、スタジオ収録でのビデオメッセージとして発信。しかもメンバー7人が一人一人それぞれ別々のスピーチをまとめた形になっています。
当然ぶっつけ本番の「一発撮り」ではないし、大勢の聴衆もいないためかなりリラックスした表情が見られます。
しかし、何度も撮り直して練習しないと、あれだけ堂々とは話せません。
特にリーダーRMさんのスピーチ時間はかなり長く、しかも噛まずに母国語ではない英語でしゃべっています。
一説によると彼のIQは140以上あるとされ、とても頭のいい方です。彼にかかれば、長い英語スピーチを覚えることは容易でしょう。
しかしYoutubeでの目線をよく観察すると、暗記した文章をかみしめながら話しているのではなく、カメラの前に置かれたカンペを読んでいるようにも見えます。
実は、これだけメディアが発達した世の中では、「スピーチ・プロンプター」なるものが用いられています。カメラの前にはプロンプターと呼ばれる透明のアクリル板があり、そこにカンペが映し出されているのです。
しかもスピーチする人には文字が見えても、カメラには文字は映りません。
どういう仕組みになっているかというと、カンペの後ろにカメラがセットされています(以下画像)
ですからプロンプターのカンペを見ながらスピーチをする人の目線は、一点に固定されておらず左右に動いている特徴がみられます。
そんなことに注目しながら、有名人のスピーチを見てみても興味深いかもしれません。
ニュースキャスターがカメラ目線で話せる理由
テレビニュースを見て気づくことがあるでしょう。アナウンサーが原稿を見ずに、ずっとカメラ目線で難しい文章を話しているシーンを。
すげぇなこの人、原稿を全部暗記していてめっちゃ記憶力がいいな!って思ってしまいますよね?
でもあれは原稿を暗記しているのではなく、実はまっすぐカメラを向いたまま先述のプロンプターの文字を読んでいるのです。
たとえキャスターが話す内容を暗記していたとしても、万が一生放送で頭が真っ白になってしまえば、即「放送事故」につながります。
またプロンプターがあるおかげで、下を見て原稿を読む必要がなくなり、常に目線がカメラを向いて話すことが可能になりました。
それによって視聴者に訴える力も増しています。
今では、インターネットでもかなり安い値段で販売されるようになっており、実は多くのユーチューバーも使用しているのです。
今後は結婚式場でも導入されることもあるでしょう。ですから、主賓の挨拶でも原稿を持ち込まず、プロンプターの文字を読みながら、目線を聴衆にまっすぐ向けて話すことが可能になるかもしれません。
前をしっかり見れることが、あがり症克服につながってきます。プロンプターの普及が多くの人にとって朗報になるでしょう。
ココがポイント①
ココがポイント②
デバイスが発達しても必要なのは「練習」
しかし、どんなに技術が発達してもスピーチで話すのは生身の人間です。AIにとって代わることはありません。
カメラを向けられると、かえって緊張する人も多くいらっしゃいます。
無機質なカメラに違和感を感じてしまうのは事実ですが、これも一種の慣れです。
ウィルス蔓延で世界が大きく変わり、スピーチのやり方も変わってきてはいます。しかし、一番大切な「練習すること」には変わりありません。スピーチを克服することが、これからの働き方にも大きく影響してきます。
ともに乗り越えていきましょう。自信を持ってスピーチできるよう最低限の練習は必要になってくるのです。
スピーチは練習と目線が重要
上記のYoutubeのBTSスピーチ冒頭では、ユニセフ事務局長「ヘンリエッタ・フォア」さんがショートメッセージを送っています。この言葉は、若い世代の方にだけでなく、スピーチを克服したい人にも熱いメッセージのような気がしてなりません。
▼以下は事務局長のスピーチ内容の抜粋です。
「生活が180度変わり、これまでの当たり前が 当たり前ではなくなってしまいました。
感情を言葉にするのは難しく、物事が上手くいっていないと感じているかもしれません。
でも この期間に、 世界をより良くする方法について考えることもできるのです。」
引用元:ユニセフ
さすがに私たちは、日常生活で自分のことを差し置いて世界のことまで考えて生きていくことは、スケールが大きすぎて荷が重すぎます。
むしろそんなこと不可能です。
しかしこの機会にこそ「自分自身が一歩でも前に進める努力」は必要だと思うんです。
今日あなたにやれることをやってみましょう。
1ミリでも前に進む姿勢が未来を変えていることができるのです。
それにはあがり症を克服する方法を習い、練習することにほかなりません。
スピ―チは当然「口」でするものですが、「目」が大事です。
(2021年10月7日追記)
BTSは2021年度9月も国連でスピーチをしました。
今回はメンバー全員が国連ビルで「SDGs(持続可能な開発目標)が提唱される中、全世界に伝えたいこと」をテーマに代わる代わるリアルタイムで話しています。
↓その動画はこちら↓
今回のスピーチは全員が原稿を読みながら行っています。
それでも途中、ジミンさんのパートで緊張のあまり言葉を詰まらせてしまう、ちょっとしたハプニングがあります。
彼は「すみません」(字幕では訳されていません)と言ったあと、しばらく間をあけて「ふぅ~」っとひと呼吸して気持ちを切り替えて、再び話し始める姿がとても印象的です。
ジミンさんはとっても繊細。だけど一生懸命に話す姿は人の心に響くものがありますよね。
スピーチは何も「雄弁」である必要がないことをジミンさんが教えてくれています。
ジミンさんが歌っている時の声を聞くと、繊細だけど透き通る声はとても魅力があります。
声にも彼の優しい性格がにじみ出ている気がするのです。
ツイッターでは以下のような写真が紹介されています。Youtubeではわかりませんでしたが、ジミンさんが話す時、メンバーみんなが見守ってくれています。
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