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スピーチのテクニック

スピーチはプロ野球選手が教えてくれる

2021年3月8日

プロ野球選手の中にはスピーチがうまい人がいます。

今日テレビを見ていたら、日曜日ということもあってどのテレビ局も「震災から10年」の特集が組まれていました。
(この記事は2021年3月8日に書いています)

元少年隊「東山紀之」さんがMCをするニュース番組のスポーツコーナーでも、東北ということで楽天イーグルスについてフォーカスしています。

さあ楽天選手のスピーチからその克服方法について触れていきます。

スピーチでは人が書いた原稿を読んではダメ

震災発生から翌月の2011年4月2日、楽天イーグルスの選手会長「嶋 基宏捕手」が、チャリティー試合前の挨拶で素晴らしいスピーチをしました。

その話し方と短髪がさながら高校球児の選手宣誓のようにも見えますが、それがかえって好印象にもなっています。

楽天・嶋捕手の名スピーチから学ぶこと

嶋選手は、3分18秒あたりから3分間ほどのスピーチです。

▼そのYoutubeがこちら▼

引用元:チャリティ試合前の田中、嶋両会長の挨拶

▼その中で以下の言葉は、名言にもなっています

「今、スポーツの域を超えた野球の真価が問われています。

見せましょう、野球の底力を。

見せましょう、野球選手の底力を。

見せましょう、野球ファンの底力を。」

嶋 基宏(元楽天イーグルス)

引用元:楽天の優勝と嶋選手の震災後のスピーチ

嶋捕手のスピーチ裏話

このYoutubeスピーチを見ると、用意された原稿を覚えて話しているように思えるかもしれません。

実際にはスピーチ前日の夕方、試合前に行うスピーチ原稿がプロ野球を統括する日本野球機構から届いたそうです。

しかしそれを見て彼は違和感を覚えたそうです。嶋選手は”被災地、頑張れ”という内容は他人の目線だった。被災地の球団としては読め
るものではなかったと回想しています。

そこで球団広報とも相談し、独自の原稿を作った結果、この名言が生まれたそうです

おそらく用意された原稿を読んだだけでは、こんなに嶋選手のスピーチは話題にならなかったでしょう。

しかも、試合前日にスピーチ原稿を作ったというのですから、時間もない中でかなりプレッシャーもあっただろうと思います。おそらく寝ないでスピーチ原稿を書いて、何度も練習をして臨んだのではないかと想像できます。

嶋選手のスピーチが成功した3つのポイント

なんでも嶋選手は、学生時代の成績が「オール5」だったそうです。キャッチャーは頭がよくないといけないという野村前監督の「ID野球の申し子」です。ですから、頭がいいから内容の濃いスピーチ原稿も覚えられたのかもしれません。

しかしわれわれ一般人は、そこまで記憶力はないので、そこはお手本にはなりません。以下の3つが参考になります。

1.自分で原稿を作って自分の言葉で話している

スピーチ原稿を外部の人に依頼する方もいますが、僕はあまりおすすめしません。あくまでも「自分の言葉」で発することが大切です。他人が書いた文は、全く頭に入ってこないからです。

あなたのこれからの人生で、何度も節目節目のスピーチをする機会が出てきます。その上突然話さねばならなくなった場合には、原稿依頼をするわけにはいきません。

そのためにもまずは難しく考えず、言いたいことを自分で書き記してみましょう。

頭の中で浮かんだことを思いつくままキーワードや箇条書きするだけで十分です。

その繰り返しが、確実にスピーチ力アップにつながってきます。

嶋選手のように人の心に響くスピーチは、基本は自分で作ったものなのです。

2.相手のことを意識したスピーチ

選手会長という立場であれば、まわりの目を気にした「公人スピーチ」をしようとします。しかし嶋選手は、世間体を気にしていません。その向かう先は楽天ファンへというよりも、被災地で頑張る人たちへ向けたメッセージになっているのです。

東北を元気づけるためには、「自分たちが野球を頑張る姿を見せることでしか貢献できない」、と考えていたのです。

それは自然に相手(東北の人々)を意識したスピーチになっていたのです。

一方、我々がするスピーチも同じです。自分が言いたいことだけを話すだけでは、相手の気持ちをつかむことができません。

緊張してあがってしまうのは、自分がどう見られているかに意識が集中してしまうのです。

ですからあなたの意識を「内から外へ!」です。

3.間(ま)をうまくとっている

あらためて嶋選手の名言。

「見せましょう、野球の底力を


見せましょう、野球選手の底力を


見せましょう、野球ファンの底力を」

これを言ってる途中で拍手が起こります。その時に彼は、拍手を受け留めた上で、一呼吸置いてから一文一文しっかりと言い切っています。うまく間を取っているのです。

これは、あなたスピーチにも生かせる方法です。

嶋選手・追加のスピーチ動画

実はこのスピーチの数週間後、嶋選手は4月29日のKスタ宮城開幕戦でも東北の人々に向けたスピーチをしています。

前回と言葉は違っていますが、東北の方々に向けたメッセージは熱いものがあります。

さらに驚くべきは、前回に比べてスピーチがうまくなっている点です。満足するスピーチができれば、さらにスピーチはうまくなるのです。

あなたも些細なことで構いません。ちょっとした成功事例を作ることができれば、うまくなるきっかけがつかめるのです。それが、普段の日常の会話の中で相手から「ありがとう」と言われることだけでも、十分に成功するきっかけになるのです。

▼参考:2011年4月29日 嶋選手2回目のスピーチ▼ フルでお楽しみください。

引用元:嶋基宏選手会長から被災者へのメッセージ

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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この記事を書いた人

森川じゅいち

大阪で創業44年続く「上六話し方教室」の
谷口政明代表に師事したのち、公認
インストラクターとして活動を始める。

スピーチコーチとして、あがり症の人がキャリアップできる話し方を個人向けに伝えています。

かくいう私もじつは高校まであがり症でした。

でも、とある方法を身につけ克服することができました。

スピーチはやり方次第で何とでも克服することが可能です。

 

現在、平日上場企業に勤務し土日はコーチとして働く起業家です。

この直近15年間で、のべ6,600人の前でのスピーチ、プレゼン、司会の実績があります。

スポーツをこよなく愛する55歳のおっさんで、私自身あがり症を克服しても、人見知りは今でもします。さびしがり屋で人は好きなのに時折一人になりたい性格です。(笑)

現在、企業向けや官公庁向けのセミナーを開催しております。

全国出張が可能です。

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