面接ってイヤですよね。
昇格するためにはそこから避けて通ることができません。
社会人になって30代後半にもなると、勤務先で課長級の昇格試験を受ける可能性が出てきます。
企業によっても違いはありますが、たいていは筆記試験と面接がセットになっています。
無事にペーパー試験をクリアしても次には面接が待っています。
スピーチ嫌いで緊張してしまう人にとって、面接が高いハードルになっているのは事実です。
でも安心してください。どんな人でも面接官(役員)の前で話すのは、めっちゃ緊張しますから。
むしろ緊張しないほうがおかしいのです。
今回は「面接前」「面接中」「面接後」の3つのステップでその克服法を書いています。
これを知っておくだけで、緊張が和らぎ面接のハードルが少し下がりますよ。
緊張する面接で実力を発揮するために自分できること
面接で緊張して実力が発揮できないのは、とてもくやしいですよね。
しかし、緊張しないとその面接はうまくいきません。
昇格面接であれば管理職として必ず通らねばならない分岐点。年収アップと仕事の可能性を広げるためにも大切なものです。
転職であれば、あなたの人生のステップアップにつながります。
この記事では昇格面接対策をメインに書いています。
転職面接とは目的が違っても、合格する過程において重要なポイントは共通しています。
1.面接前の心構え
まず面接の意図を考える
あなたは、なぜ試験を受けられるのか考えたことがありますか?
それはとても当たり前のことですが「前年度あなたの評価が良かった」から試験を受ける資格を得たのです。
年功序列が崩壊した今、だれでも一定の年齢が来たからといって受けられる時代ではなくなりました。特に、
管理職登用試験であればなおさらです。
まずは、有資格者になったことに自信を持ちましょう。
転職面接であれば、書類審査が通って面接の案内が来た時点で、その志望企業と「ご縁」がある証拠です。
次に自分自身の棚卸をする
この一年間、あなたは何をやってきましたか?
自分を見つめ直すために、会社帰りや休みの日に「静かに考えられる場所」に行くことをおすすめします。
会社や自宅にいると雑念が多く、自分のことをゆっくりと考える時間が作れません。
喫茶店でも行って、コーヒーを飲みながら手帳を取り出し、
あなたが一年間、実績をあげた内容を箇条書きで記していきます。
たとえどんなに小さなことでも構いません。考えれば考えるほど、自分が何をしてきたのか鮮明になってきます。
これが「自分自身の棚卸」です。
僕は一人で考えるこの時間を「ひとり会議」とよんでいますが、窓から外を見たり、
店内の様子をぼぉ~っと眺めながら考えていると、アイディアが浮かんだり、頭の中が整理できたりします。
ひとり会議はマインドアップ(考えをまとめたり、言葉でうまく表現したり、発想を広げること)するためにとても有効な時間です。
※余談:勤務先以外で赤の他人を公然と観察する機会ってなかなかありません。
喫茶店に行けば自然に他人が目に入ってきます。その服装、持ち物からトレンドが分かる!
商品企画者や営業マンにとって参考になる情報があふれているんです。
どんな質問がくるか想定しておく
面接で気になるのは、難しい質問を言われたらどうしようか?といろいろと気になってしまうことです。
時として面接官(役員)の中には、いやらしい質問をしてくる場合があります。
例えば「あなたの部署の中で、いらない人間はいますか?」など、特定の名前を聞いてくるケースも出てきます。
しかし、他人の悪口を言っても誰も得をしません。
あなたのことをアピールする面接ですから、「職場にそんな人はいないと思います」とか、
「万一いたとしてもそれをカバーしあうのが組織なんじゃないでしょうか」と、
本題から外れてしまう質問はさらっと流す必要があります。
面接官は、あなたが管理職としての「適性」があるか、または責任ある職務を「任せられるのか」を見ています。
いやらしい質問もとっさのことへの対応力を判断されているのにすぎません。
また、営業の人に多く見られるのが数値の丸暗記です。
覚えておいて損はありませんが、面接は「営業会議」ではありませんし、記憶力のテストでもないのです。
しかも相手は経営のプロです。数字の議論でかなうわけがありません。
そのためにも経営的数値を持ち出して、自ら話題を難しい分野に持っていき、自らの首を絞めてしまうようなことはやめましょう。
◎準備すべき質問は、「今の会社や部署の課題」、「そのためにどうすればいいのか」について「前向きな自分の意見」
を用意しておくことが大切です。
その答えには正解不正解はありません。しっかりと自分の意見を述べられるかどうかです。
大切なので何度も言いますが、役員は「こいつに任せられるか」という視点で見ているので、
堂々と自分の意見を言えるかがポイントになります。
さらには面接官も人間です。
前回と面接官が同じメンバーであれば、質問のパターンは似てくることがあります。
以前面接を受けた人にどんな質問をされたか教えてもらうことは重要です。
事前に必ず情報を取っておきましょう。
この会社で何をしたいのか?
面接官から「今後やってみたい仕事はありますか?」って聞かれることがあります。
あなたが行きたい別部署があるのであれば、異動のアピールにもつながります。まずは現部署を否定することなく、
今置かれている職責を全うすることで次のチャンスも生まれてくるものです。
将来、この会社で何を実現したいか、今後のあなたのスキルアップとその会社に貢献できるビジョンをまとめておきましょう。
最後に変わる世の中で何ができるか?
一昨年から企業を取り巻く環境は大幅に変化しています。経営者でさえ次の一手が打てていない状況です。
そんな中、「このご時世、どうやって売上を作るのか?」なんて質問をしてくる役員(面接官)もいます。
内心では「それはあなたがが考えることでしょ!」って言いたくもなりますが、そこはぐっとこらえて、
あなたの部署でもできる課題を見つけてみましょう。
広く浅い全社的な話になると抽象度が増します。自部署で具体的かつ現実的に何ができるかを話せればいいのです。
もしそれがいい意見であれば、すぐに全社的に採用されたりもします。
面接は「会社から呼ばれてやって来た」という”お客さん”の考え方ではなく、「自分を売り込みに行く営業」と
視点を変える必要があります。
つまりあなた自身を買ってもらうのです。
(可能であれば)模擬面接をしてもらう
ここまで準備できたら、面接の2日前までに面接官ではない上役の人に「模擬面接」を受けておきましょう。
この”2日前まで”というのがポイントです。
もし面接前日にあれこれアドバイスを受けてしまうとかえって焦ってしまって不安度が増します。
できれば信頼できる直属の上司にやってもらいましょう。自分自身では気づかなかったことを客観的にアドバイスしてくれますよ。
※転職面接の際には、エージェントの模擬面接サービスがある場合がありますので、使えるものはどんどん使っておきましょう。
身だしなみはいいに越したことはない
「人は見た目が9割」などといった書籍が売られているように、人は目からの情報が一番印象に残ります。
服装は、普段から着慣れたスーツを着用してください。
何も新しく購入する必要はないので、せめてクリーニングに出して小ぎれいにしておくと好感度が上がります。
また頭髪は、数日前に散髪しておきましょう。
見た目に少し気を使うだけでも、相手への印象が変わってきます。
2.面接当日の心構え
クツを磨く
さて、いよいよ面接当日です。朝からソワソワ落ち着かなくなります。不安な気持ちを静めるためにも、
その日履いていく革靴をきれいに磨きましょう。
ピカピカになれば、なぜだかうれしくなってきます。
さあ、これでもう外見はバッチリです!
絶対に主張したいことは言う
これまでの「面接までの準備」によって、あなたの頭の中もかなり整理されてきたはずです。
あのことを聞かれたらこう答えようと、シミュレーションもできるようになってきているでしょう。
そんな中で、どんな質問が来ても最後には「これだけは主張したい」というポイントが出てくるはずです。
ぜひそれを面接の時間内に伝える必要があります。
しかし面接の流れ上、その内容が話せない状況があるかもしれません。
でもたいがい人事部長から面接の終わりに、「最後に聞いておきたいことはありますか?」と尋ねられます。
その時は「いえ質問はありませんが・・」と前置きしたうえで、自分の主張を言っておいたほうがプラスポイントにもなります。
トイレに注意
面接会場には時間よりも早めに到着することが必要です。前の受験者が時間よりも早く終わった、なんて場合もありますから。
(しかし、たいがいは遅れ気味になります)
不安な気持ちを抑えるために何度もトイレに行きたくなります。
その時はズボンの「追っかけ漏れ」に注意してください。面接室に入る際に、手で前を隠していたら不自然です。
シミがバレやしないかと緊張感もアップしてしまいます。
あいさつは面接の基本
さあ、名前が呼ばれたらそこからが面接です。
ノックをして入室します。
その時には立ったまま挨拶をしますが、必ず大きな声で「山田太郎です。本日はよろしくお願いします!」と
フルネームで言いましょう。
面接官の立場になってみれば、彼らは1日に20人近くも面接するわけです。
ですから最初のインパクトがないと眠たくなります。
面接をする側も真剣です。ですが長時間の面接に対応していると精神が擦り切れて疲れます。
受験者はせめて元気よく、この機会をもらった感謝の気持ちを挨拶に乗せましょう。
もし頭が真っ白になったら
さていよいよ面接官が順番に質問をしてきます。
最初の質問を答え終わると、心臓のドキドキもかなりおさまってきます。しかし質疑応答が進んでいくと、
不意な質問に頭の中が真っ白になってしまうことがあります。
その時は焦ってパニックにもなってしまいます。
▼そんな時のためにも「履歴書Do」さんが以下の記事を書いていましたので参考までにどうぞ。
面接では自分をよく見せようと思ってしまいます。それゆえに頭が真っ白になることがあるでしょう。
問題なのは、「何も答えられず沈黙の時間が続く」ことです。
そうなってしまったら「すいません、緊張して頭の中が飛んでしまいました」と
素直に言うのが一番いいと思います。
緊張して頭の中が真っ白になったことは直接合否には影響しません。
また質問の内容がわからなければ、「わかりません」と言う姿勢も必要です。
わからないのに知ったかぶりして話すより百万倍いいです。
一番重要なこと
面接を受ける直前に「緊張を抑えられ、ドンと構えられる名言」があります。
それは・・・
「こんなこと、あんなこと聞かれたらどうしよう?と悩むのではなく、
一年間成果を出してきたこのオレを見てくれ! 話を聞いてくれ!」
そんな姿勢で臨むことが大切です。
この言葉は僕が38歳の時、課長職の昇格面接を受ける前に関連会社の社長からアドバイスされた言葉です。
当時その言葉がぐっと胸に刺さりました。
こんなこと聞かれたらどうしよう?と不安に思った内容は、たいがいは相手から聞かれません。
想像もしないことを質問されたり、問い詰められると頭が真っ白になるのです。
わからないことは「わかりません。このことについては勉強不足なので課題にします」
と正直に言ったほうが好感度もあがります。
3.面接が終わった後の心構え
さて、面接も無事終えることができました。
まずは緊張から解放された安堵感で、どっと疲れたことでしょう。
面接のやり取りを回想する中で、「あ~、あの質問にはこう答えておけばよかった」と、
あとから振り返って思うことがあります。
でもそれは誰にでもあることです。完璧になんかできません。
クヨクヨ考えずに、まずは面接を頑張った自分をねぎらってあげましょう。
転職面接にしても同じことです。
うまくいかなかったとしても世の中には企業は何百万社とあるわけです。
不合格になっても、あなたには居心地のいい会社ではなかったと思いましょう。
次の面接に気持ちを切り替えてください。
まとめ
たかが面接。
されど給料も待遇も変わってくる重要な行事です。
同期入社の人と差が付き始めるのもこのころからです。
しかし、万が一落ちたからと言ってチャンスがなくなるわけではありません。
単に次回にチャンスが先送りにされただけです。
社会人生は思ったよりも長いです。まだまだこれから。
サラリーマン生活が終わった時に「意外と短かったな」と、振り返って感じるものだと思います。
今回は、緊張してしまう面接対策について書いてきました。
緊張は絶対になくなりませんし、面接を大切に思っているからこそ緊張するのです。
少しでも緊張を和らげ、あなたの実力を発揮できるように祈っています。
最も大事なことをもう一度
スピーチが嫌であがり症に悩んでいる人でなくても、面接は緊張します。
大切なことなのでもう一度言います。
「こんなこと、あんなことを聞かれたらどうしよう?と悩むのではなく、
一年間成果を出してきたこのオレを見てくれ! 話を聞いてくれ!」です!