こんにちは、スピーチ講師の森川じゅいちです。
さてスピーチではフックが大事だと言われています。
えっ、フックって何?
そうなりますよね、失礼しました。
フックを日本語にすると「釣り針」「引っかける」の意味で、スピーチでは「聴衆をひきつける」などの意味に使われます。
スピーチは聞き手がいてはじめて成り立つもの。
そもそもあなたに注目してくれないと話す意味がありません。
そこで観客を釣り上げるための「フック」が重要になってくるんです。
今回は、スピーチを成功させる効果的なフックの方法についてお伝えします。
これを知るだけであなたのスピーチ力は格段にアップします!
スピーチで効果的なフックを使って成功させる考え方とは?
例えば映画を見た時に、最初から淡々と面白くないストーリーが続くと、だんだんその先を見るのもイヤになってしまいますよね。
しかしヒットしている映画は、たいがい冒頭から観客をその世界にググっと引き込んでいきます。
スピーチも同じです。
あなたの世界に引き込むことが必要です。
フックはそのための「呼び水」といえばいいでしょうか。
いずれにせよ、スピーチにとって一番大切な部分は始め方と終わり方です。
特に第一声に何を発するかは、最も気を使うべき点になります。
スピーチでジョークで笑いを取ることを考えない
それであれば最初にウケを狙って会場を爆笑させれば一気に注目を引くのですが、一般社会人は漫才師ではありません。
ネタを練りに練ってウケを狙ったとしても、滑ってしまったらショックが大きいです。
そのような計算された笑いは、お笑いのプロにお任せしときましょう。
われわれビジネスパーソンにとって”スピーチが面白い”という意味は、聞き手にとって「興味深い」「ためになった」「元気になった」「ジーンときた」ということです。
ですから、まずは笑いを取ろうとする必要はないんです。
あくまでも「つかみ」を意識してください。
初めに概要を説明
むしろあなたにとって大切なことは、何の話をするのかを伝えるということです。
それを冒頭で聞き手に知らせる必要があります。
「今日は、○○について話をします」と言えば、聞き手が心の準備ができるようになります。
聞く態勢をあなたが作り出すのです。
これはプレゼンでも同じです。
参加者がテーマをわかっていても、再度プレゼン概要を伝えましょう。
フックの長さは全体の1割以内にしよう
フックの長さは全体の1割ぐらいに押さえておきましょう。
3分間スピーチをするのであれば、フックの時間は「約20秒」の尺になります。
それでは、どのような方法でフックを作っていけばいいかの紹介です!
スピーチで効果的な7種類のフックを紹介
元気な挨拶から入る
とてもベタなことですが、第一声に元気な挨拶することは大切です。
しっかり声を出すことで、いくぶん緊張も少し和らぐ効果も期待できます。
何よりも聴いてくれる人たちに向けて、感謝の気持ちを挨拶にのせましょう。
その思いは確実に相手に伝わるんです。
質問から入る
例えばあなたが旅行についてスピーチをしたとします。
「これまでハワイに行ったことがある人は手を挙げてもらっていいですか?」など冒頭から質問を投げかけると聞き手はちょっとドキッとします。
もし指名されて答えなければいけなくなれば緊張すらします。
そうなんです。
質問を投げかけることで、聞き手から注目されることになります。
たとえハワイに行ったことがない人が多くても関係ありません。
質問から入ることで惹きつけることができます。
ショッキングな話をする
「失恋」「離婚」「事故」「病気」「死」などといった聞き手にとって非日常のショッキングな話題はびっくりします。
あまりにもグロテスクな内容はNGですが、聞いただけでインパクトがあるということです。
フックとしては最強の方法です。
ただし、それがあなたの話したいテーマに何ら関係ないのであれば、言っても意味がないので注意しましょう。
格言から入る
最近では格言から入って、自分の言いたいことを伝える人は少なくなりましたが、スピーチ方法としてはテッパンのやり方になります。
格言とは人生の真理や助言として有用な言葉のこと。
有名人・偉人・学者などが残した言葉で、戒めなども格言の一種になります。
格言から話して次に実例を挙げてあなた独自のストーリーを展開すると、より聞き手には内容が理解されやすくなります。
実物を見せる
昔から「百聞は一見に如かず」とはいったもの。
どんなに耳からたくさんの情報を聞いたところで、それは頭の中ではっきりとイメージできるとは限りません。
目からの情報には勝てません。
例えばあなたが朝礼で生活に役に立つ便利グッズを紹介したとします。
その時に現物の商品を見せることが一番インパクトがあり、聞き手にもはっきりと伝わります。
商品が大きくて持ち運びが不可能であれば、写真を見せるだけでも効果的です。
驚くようなデータを提示する
これは特にプレゼンで効果を発揮する方法です。
人はちゃんとした方法で調査した結果や、大多数のアンケート調査の結果をどうしても信じてしまいます。
これは実際にアメリカの下着メーカーが1000人を対象に行われた調査結果になりますが、「あなたは下着を毎日着替えてますか?」との問いに対して、「毎日着替えているのは半数」しかいなかったそうです。
中には1週間下着を替えない男性もいるとのこと!
普通の感覚としては、毎日下着を替えるのは常識のように思えますが、それも当たり前だとはいえないようです。
日本人に調査をすればまた違った結果になるんでしょうけど。
例えば洗剤メーカーが、「今日は1週間着用した下着でもにおわない洗剤をついに開発しました!」と、下着を毎日替えない驚くべき調査結果を提示した上でその商品を紹介したら、消費者はぐっと引き付けられますよね。
聞き手が知らない情報を投げかける
「あなたは〇〇についてご存じでしょうか?」
これは最初に紹介した「質問を投げかける」方法に似ています。
インターネットが当たり前になり、世に中には情報があふれています。
そんな中AIがあなたの習性を学習し、ますます自分の趣向に合ったものが表示される傾向が強くなります。
それゆえに情報がかなり偏ったものになりがちです。
そんな時役立つのは、昔ながらの人からの「口コミ」でしょう。
聞き手が知らない情報を伝えるができ、人に影響を与えられるのがスピーチの醍醐味です。
しかも身近な人からの情報は信じることができます。
あなたが知っているけど周りの人は知らない有益な情報は、探せばきっとあるはずです。
【まとめ】スピーチでは効果的なフックを取り入れる
今回は、スピーチでのフックについて紹介してきました。
スピーチではフックがとても大切です。
あなたが第一声に何を発するかが、スピーチの成功に影響します。
同じ内容を話すとしても、フックがあるかどうかで聞き手への伝わり方が変わってくるのです。
ぜひ、今回ご紹介した7個のフックからあなたの話し方に合ったものを選んでみてください。
GOOD LUCK!