こんにちは、スピーチ講師の森川じゅいちです。
スピーチが飛んで頭が真っ白になるととても焦りますよね。
スピーチを克服できる第一の方法は、ほかの誰かを演じるのではなく自分らしさを出せるかが大切です。
演じるといえば、日頃テレビで目にする俳優さんたちを真っ先に思い浮かべますが、彼らは「他人を演じるプロ」です。
極度のプレッシャーの中で彼らはどうやって架空の人物になり切って本番に臨んでいるのか、とても気になりますね。
ということで今回は、まずは頭が真っ白になってしまった時の対処法と俳優さんのセリフの覚え方について触れていきます。
この記事を読めばスピーチが飛んで頭が真っ白にならないヒントをつかめます。
緊張でセリフが飛ぶ場合の対処法とは
人前で頭が真っ白になってセリフが飛んでしまっては話すことができなくなりますよね。
そんな時は焦る気持ちをぐっと抑えて、まずは2,3回大きく「深呼吸」してみましょう。
その行為がリラックスを生み、話す内容も思い出すことがあります。
またいい意味で間(ま)ができるのです。
しかし、それでも思い出せないことはあります。
そんな時のためにも、セリフを書いた原稿をポケットに忍ばせておきましょう。それを見れば次に何を話すか思い出すことはできます。
そもそも原稿を持っておくことが「お守り」にもなり、安心してスピーチにも向かえます。
えっ、原稿なんて作っていない?
そういう時は、頭が真っ白になってしまった直前の言葉をもう一度繰り返し言ってみてください。
それによって次に話す内容を思い出すことは多いのです。聞き手にも同じことを繰り返し言うことで丁寧な印象を持たれます。
それでもだめだったら?
「頭が真っ白になって話す内容を忘れました」と素直に告白してしまいましょう。
いずれにしろスピーチで100%の出来を求めてはいけません。
聞き手には話し手の立場はわからないので、あなたの話したいことを60%伝えることができれば良しとしたいものです。
セリフが飛ばない役者の覚え方はスピーチに役立つ
役者さんたちは元アイドル出身だったりします。
小さいころから芸能活動をしていて、正直言って学校にもあんまり行ってない。
普通の人よりも勉強もしていないはずなのに、役者として長いセリフを覚えることができます。
しかも彼らは超多忙なのに、いつ覚えているのか不思議に思います。
天才肌が多いからなのでしょうか?
特殊な覚え方のコツを知っているのかも?
な~んて勘ぐってしまいます。
元SMAPの香取慎吾さんは、本番ギリギリまで寝ていてもしっかり演技できるそうです。
あなたもスピーチ原稿を暗記したけれど、本番で緊張して飛んでしまっていいたいことが言えない結果なってしまい、とても悔しい思いをした経験があるかもしれません。
現役の役者「シカ子」さんがさまざまな覚え方があることをブログで取り上げていらっしゃいます。
以下はほんの一例ですが、スピーチ内容を頭にインプットするのに参考になります。
【いろいろな覚え方】
書いて覚える
聞いて覚える
音読して覚える
歩きながら覚える
寝る前に覚える
お風呂で覚える
時間制限を決めてゲーム感覚で覚える
引用元:やくしゃみち
僕個人のやり方としては、「歩きながら覚える」のが最も効果的で忘れにくかったです。
【3タイプに分類】役者が実践しているセリフの覚え方
俳優のセリフの覚え方は、あなたが緊張するスピーチでパフォーマンスを発揮するのに通じるものがあります。
テレビや舞台の本番を乗り切る3人の俳優さんにスポットをあてて紹介します。
【古田新太さん型】寝る前に覚える
俳優の古田新太さんは、寝る前に台本を覚えているそうです。
お酒を飲みながらやってるらしいですが(笑)
脳科学的にいっても寝る前に学習すると記憶に残りやすいと言われています。
つまりスピーチ内容を頭に入れるには夜がいい、というわけです。
テスト前の勉強をするにしても、睡眠の直前にするとすぐに忘れない「長期記憶」として残りやすいのです。
それが「暗記する勉強は、夜がゴールデンタイム」といわれるゆえんです。
成長ホルモンが分泌され、脳が記憶の整理をしてくれるんです。
ですから就寝前にスマホを見続けると、最新の記憶がスマホ情報になってしまいます。
ブルーライトも影響するので睡眠の邪魔にもなってもったいないです。
あなたのお子さんが受験生ならば教えてあげるといいかもしれません。
これは余談になりますが、1970年代には「睡眠学習」という名前の枕型機器が大ヒットしました。
自分でテープに覚えたい内容を吹き込んで寝るだけで暗記できる、と当時は大きな話題になりました。
結局「睡眠前ではなく睡眠中に聞いても記憶することはできない」と、いつの間にか世の中から消えてしまいましたけど(笑)
勉強はもちろん、スピーチ原稿を頭に入れるには寝る前が効果的です。
ココがポイント
睡眠前にすることが長期記憶につながる
また夜にスピーチ内容を覚えるだけでなく、寝る前に「イメージトレーニング」をすることはとても効果があります。
「おれは、人前で堂々と話せる!」と声に出して、毎日寝る前にスピーチしている姿をイメージしてください。
あなたの潜在意識にプラスのイメージが定着します。
ウソみたいな話ですが、毎日やることで本当に変わってきます。
ただし大声でやると家族から変な目で見られるので、そこは声のボリュームを加減してくださいね。
【木村拓哉さん型】ストーリーを映像化する
人は、「話の筋道」がないことを記憶するのがとても苦手です。
学校の定期試験で苦手科目の勉強を「一夜漬けでやみくもに丸暗記」したけど、試験が終わったらほとんど忘れてしまった経験があるんじゃないでしょうか。
僕がそうでした。
「詰込み型記憶」は短期間しか持ちません。
たとえば「自転車」「テレビ」「物置」という3つの単語を絵を見て記憶したとします。
こういった全く話の筋道(ストーリー)のないものは、記憶がしにくいですぐに忘れてしまいます。
では仮にこの3つの単語をちょっと強引にストーリーをつけて覚えたらどうなるでしょう。
→「テレビを見ていたら、ケンタッキーのCMをやっていて、無性に食べたくなったので物置から折り畳み自転車を出して買いに行った。」
これは突拍子もないやり方に感じますが、言葉に絵やイメージを与えて、それをつなげて「ストーリー仕立て」にしてあげれば忘れにくくなります。
この映像化する方法は、木村拓哉さんもやっているそうです。
スピーチにおいても、原稿を作る際にストーリー仕立てに構成して作り上げる。
何種類かの項目をそれぞれ、アイコンとしてイメージや情景を順番に映像化して覚えれば忘れにくくなります。
ココがポイント
【堺雅人さん型】体を動かしながら覚える
実は動きながら覚えるのが記憶力アップにつながることは科学的にも証明されています。
体を揺さぶりながら記憶すると、脳の機能が高まって集中力も上がるとのこと。
歩きながら学んだほうが、じっとしているより半分の時間で2倍の効果があると言われるだけに、やってみる価値があります。
ちなみに僕はじっとしているのが嫌いなので、うろうろしているほうが落ち着いてかえって頭の中が整理できます。
考え事をする時も、じっとしていては新しいアイディアが生まれません。
俳優の堺雅人さんは、この体を動かしながら覚えるタイプです。
ココがポイント
まとめ
今回は頭が真っ白になって飛んでしまった対処法、そして俳優のセリフの覚え方について3つ書きました。
どれも効果がある方法ですが、3つ同時にやってみると効果は絶大です。
つまり、「寝る前に、体を動かしながら、スピーチ内容をストーリー(映像化)にする」
これは本当におすすめします。
俳優さんたちは、役と密接だからこそセリフを覚えられます。
密接に結びついているからセリフが自然に口について出てくるのです。
本来の自分ではない役になり切って、他人を演じられるのはすごいことだと思います。
ビジネスパーソンのスピーチの救いは、あがってしまっても他人を演じる必要がありません。
逆に演じてしまうとうまくいかなくなります。
あくまで「あるがままの自分を出す」ことが大切です。
そもそも、人前でうまく話ができないから「あがる」のです。あがってしまうから話ができなくなるのではありません。
スピーチの知識を学んでから場数を踏めば、おのずと道は開けてきます。
スピーチ原稿の丸暗記だけに頼るのはちょっと危険です。
緊張で頭が真っ白になって飛んでしまえばやっかいです。
小栗旬さんは「言葉を読むのではなく、自分の中から発せられる言葉にするんだ」と言っています。
そもそも暗記するだけでは棒読みにもなりますので、小栗さんの言葉はスピーチ克服に通じますね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
最後に大切なこと
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